お知らせ

ヨウ素剤について

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ヨウ素剤 〜放射線被爆による甲状腺への影響予防のために

2011年3月11日の東日本大震災後に発生した福島第一原発での3基の原子炉がメルトダウンするという前代未聞の過酷事故を目の当たりにして、中部電力・浜岡原子力発電所を抱える静岡県でも一層その危険性が注目され、県民の約80%もの浜岡原発をなくそうという世論の盛り上がりとともに、過酷事故発生とともに拡散される放射性ヨウ素による被ばくの効果的な低減策として「安定ヨウ素剤(ヨウ化カリウム丸)」の携帯・常備が注目されています。
原子力発電所や原子力潜水艦など、核関連施設の事故で放射性ヨウ素(ヨウ素131など)が空気中に放出され、呼吸などによって体内に取り込まれると、体内でヨウ素を必要とする器官である甲状腺(のどの辺り)に蓄積し様々な障害を引き起こします。そこで、放射能を持たないヨウ素を前もって摂取・蓄積しておくと放射性ヨウ素が取り込まれず、甲状腺機能低下症、甲状腺腫、甲状腺がんなどの放射線障害を予防・低減することができると言われています。
実際に「安定ヨウ素剤(ヨウ化カリウム丸)」を服用することで甲状腺の被ばくを抑制できる確率は、放射性ヨウ素の体内摂取前24時間から摂取後1時間以内服用で約90%以上、その後3時間以内で約40%、16時間以降ではほとんど抑制効果無しとなり、事故後一刻も早く服用することが望ましいとされています。いざという時のためには家庭に家族分を常備しておく方法が現実的です。
服用回数は1日1回、3日分を常備することが推奨されています。なお、市販のうがい薬や昆布を多食しても期待する効果は充分得られません。また、安定ヨウ素剤はあくまで甲状腺への影響を予防・低減するもので、その他の器官についてのがんなどのリスクを減らすものではありません。

【原子力規制委員会では「3歳未満の服用」を禁止しているかのような表現がされていますが、「低年齢の子どもほど放射能の影響が大きく出る」ことが確認されていますので、むしろ「真っ先に積極的に服用」されることをお勧めします】

【服用量 (1日1回)】

ヨウ化カリウム50mgの服用量
新生児 約1/3錠
生後1ヶ月以上3歳未満 約2/3錠
3歳以上13歳未満 1錠
13歳以上 2錠

新生児・3歳未満のお子さんでは、錠剤をつぶして飲ませてください。固くてつぶれない場合は「袋の上からカナヅチなどで叩いて細かく潰して」飲ませてください。以前は40歳以上の方の服用の必要は無いとされていましたが、近年の研究でこの点は訂正されましたので40歳以上の方も服用してください。

【服用方法】

事故発生時に1回量服用。
服用回数は原則1回。
連用が必要な状況では可能なら「避難」を優先させてください。
避難困難時の3日分までの連用はやむを得ないとされていますので、状況により判断してください。

【使用上の注意】

1.ヨウ素に過敏な方は服用を避けてください。
2.肺結核、甲状腺障害、腎障害、先天性筋強直症のある方、カリウムの高い方、血圧の薬や利尿剤、カリウムを高くする薬、抗躁うつ薬を服用している方など持病をお持ちの方は、あらかじめ主治医にご相談ください。
3.決められた用法、用量、使用期限を守ってください。
4.上記以外の目的では服用しないでください。
5.服用後、身体の異変や症状が現れた場合は、必ず医師または薬剤師にご相談ください。
6.本品は吸湿性があるため、湿気、日光を避けて涼しいところで保管してください。

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